釣具屋の兄ちゃん

昔話です。
ワタシ、小中学校の頃は、もっぱら釣り小僧でした。
時間があると、釣り竿を担いで、近くの池や川に出かけてました。
ちょうど、ウチ(の実家)の近くに、小さな釣り道具屋があって、サオやリールなんかの大物は、遠くの大きな釣具屋まで買いに出かけてましたが、エサやハリ、釣り糸なんかの消耗品は、もっぱらその釣具屋で調達していました。
小学生の頃からしょっちゅう通っていたので、すっかり常連さんになって、顔も覚えられていました。
たいていおばちゃんが店番をしていて、たまに、その息子さんと思われるお兄ちゃんが出てきました。
その兄ちゃんは、ワタシより、7つ8つ年上くらいでしたでしょうか。
ワタシの実のアニキよりももう3つ4つ上だと思われたので、ずいぶん大人びて見えました。
ワタシが、中3か高1くらいのある時、店の横の、自家用車置き場とおぼしきスペースに、真っ赤なクーペが置かれるようになりました。
シャープなラインの3ドアハッチバックで、とてもカッコよく見えました。
まだクルマに疎かったので、実のアニキに聞くと、「あれはカローラレビンっていうんだ」と教えてくれました。
当時はなぜか、カローラってクルマは地味なセダンだというイメージだったので、あのカッコいいクルマがカローラというのは、ちょっと意外でした。
いわゆる「ハチロク」の一世代前、TE71型のレビン(レビンを名乗ったのは3ドアだけです)だったわけですが、今にして思えば、TE70系はセダンも含めて、いいスタイルですね。
ちょっと興味があったので、兄ちゃんが店番している時に、「兄ちゃんのクルマ、レビンって言うの?」と聞いてみました。
すると、「おお、お前もいよいよクルマに興味を持つ歳になってきたか。」とすごく喜んでくれて、「オレのレビン、ちょっといじってあるから、誰にも負けないぜ」と得意げに話してくれました。
その時は、「いじってあるから、誰にも負けない」という言葉の意味はあまりよく理解できていませんでしたが、なんだかメチャメチャカッコよく響きました。
これがきっかけだったという訳でもありませんが、この後、急速にワタシのクルマ熱は高まっていきます。
「天草釣具店」の兄ちゃんも、今は50歳を超えてるんでしょうが、今はなにをやってみえるでしょうか。
今でもヤンチャなクルマに乗っていて欲しいものです。

Filed under: エッセイ — カーマくん 7:49 PM  Comments (0)